なぜ！
ハチミツは砂糖よりカロリーが低い！は本当なの？

①について：ハチミツは、100g当たり303㎉(キロカロリー)、対して、砂糖は384㎉。ハチミツの方が81㎉少ない。→この差は、ハチミツの種類によって多少の誤差があったとしても、逆転できそうにありません。
➡よって、“ハチミツは砂糖よりカロリーが低い”という説は正しいと思います。
次に、私たちの日常生活では、スプーンで計って使うことが多いと思われるので、大さじ一杯当たりのカロリーで比較しようと思います。

②について：大さじ一杯当たりのハチミツは63.63㎉、対して、砂糖は34.56㎉。ハチミツの方が29.07㎉多い。
→この差は、大さじ一杯当たりの計り方に誤差があったとしても、逆転できそうにありません。
➡よって、“ハチミツは砂糖よりカロリーが高い”という説も正しいと思います。

なぜ、①、②のようなことが起こるのでしょうか？
答え：ハチミツは、砂糖より「密度」が高いから、大さじ１杯でも重さが重い。(＝質量が高い。)表の③

そのため、100g当たりで比べると、砂糖の方がカロリーが高いですが、大さじ一杯で比べると、ハチミツの方がカロリーが高くなります。
日常生活の中では、ハチミツも砂糖もスプーンで使うことが多いでしょうから、大さじ換算で、ハチミツの方が砂糖よりカロリーが高いという説の方が説得力があります。

したがって、コーヒーや紅茶に砂糖を入れるか迷ったら、入れてしまえばいいと思います。
スティックシュガー(グラニュー糖）1本3g当たりのカロリーは11.6㎉。
一日に何十杯も飲まない限り、砂糖の摂取が原因で太ることは考えにくいことです。また、砂糖だけを多量に摂取してカロリーオーバーになることも考えにくいことです。

以上のように、砂糖のカロリーは大したことはありませんが、それでも糖分摂取には砂糖はお勧めしません。
なぜなら、カロリーとは別の問題があるからです。
砂糖はカロリー以外に栄養素はなく、摂取するとすぐに体内に吸収され急激に血糖値をあげます。急激にあがった血糖値は急激に下がり、その過程でお腹が空きます。(お腹が空いたという信号が脳から発せられます。)

反対に、ハチミツの糖分はぶどう糖と果糖でできていて、ブドウ糖が素早く吸収される一方、果糖はゆっくりと体内に吸収され血糖値の上昇が緩やかになるという、研究報告があります。特に、国産のアカシアハチミツは、血糖値の上昇抑制に効果があるというデータもあります。したがって、普段の飲み物や料理に入れている砂糖を、ハチミツに代えるなど上手に取り入れていくと良いと思います。

カロリーなど参考にした書籍：

七訂　食品成分表2018　本表編　監修：香川明夫　発行所：女子栄養大学出版部

はちみつ日和　著者：前田京子　発行所：株式会社マガジンハウス